家を新築するとき、重要なのが「基礎工事」です。 何事も土台が肝心(かんじん)とは昔から言われてきましたが、 本来は建築用語です。家が建ってしまった後で、 基礎工事の内容を確認することは難しいので、施工中に確認を することが大切です。欠陥住宅の原因の9割は基礎にあると 言われています。
一生に何度もない家づくりです。知識を身につけて確認をすることは、 あなたの財産を守ることになります。お気軽にご相談ください。 現場で作業中は手がはなせませんので、お声かけは休憩中にお願いします。 仕事が終わってからの飲み物付きご相談なら、なお歓迎します。(桜田)
コンクリートが固まるまでの養生期間 もあるため、日数がかかるんです。
いくら建物が立派でも、地盤が軟弱なら無意味です。 そこで簡易的なSS試験で地盤調査です。 建物の立つ中心と四隅で、先端がスクリュー状になった鉄の棒を 差し込んで、地質を調べます。
地盤が軟弱であれば改良します。一般的には柱上改良工法といって、 穴に水とセメントを流し込んで、円柱上の土台をつくりますが、 ここではパイルコンクリート打ち込んでいます。 周辺への騒音に気配りが必要です。
基礎工事の前に行われる整地作業を地業(じぎょう)といいます。 遣り方(やりかた)とは、建物部分を板囲いで位置決めすること。 レーザー墨出し器で水準・水平を確認しながら進めます。 伝統ある言葉が使われています。
パワーショベルで基礎の高さや位置を確認しながら掘ります。 この残土を排出運搬するか、再利用するかによっても、コストが 変わります。
(わりぐりじぎょう)です。
砕石(細かく砕いた石)を全体に10~15cm厚で敷き詰め、
写真右下のランマーと呼ぶ機械で転圧し固めます。
さらに、遣り方杭の水準に合わせて深さの微調整と
転圧を繰り返します。ここまでやると捨てコン(根切の底を
コンクリートで固める)は必要ない。この現場では省略です。
底地(スラブとも言う)部分に鉄筋を組んでいきます。 コンクリートは押しつぶそうとする力に対しては強いのですが、 引っ張る力や曲げる力に対しては弱い素材です。 その弱点を補うために、鉄筋で強度を確保します。
鉄筋を固定するためのコンクリート用底地型枠を周囲に取り付けます。
ここで業界検査団体の検査が入ります。瑕疵(欠陥)保険を 掛けるための配筋検査と言われています。配筋のルールも いろいろ定められていますが、省略。
検査が終わったら、鉄筋を固定するため底地に生コン打設です。 ここまでくると、もう基礎の設計変更はできません。
基礎部分に型枠を組んでいきます。基礎高さは、 湿気防止や床下作業のために40cm以上です。
基礎型枠に生コンを流し込みます。同時に、基礎と土台(横置柱)とを 接合するためのアンカーを立てていきます。アンカーは、 土台を固定する構造上非常に大切な補強金物です。 台風や地震で、家屋が基礎から持ち上がらない役目も果たします。
アンカー位置や、天端の検査をします。 天端が水平でなければ、レベラーと呼ばれる流動度の高い コンクリートで、上部表面を水平にします。
コンクリートの強度が出るまで、夏3日~冬5日の 養生日をとります。雨が降れば、その分延長です。 建築工程全体で天候に左右されやすいのが基礎工事、 困ったものです。
底地に防水シートをかぶせ、平面配筋です。 湿気と雨水滞留防止、シロアリ対策を目的とします。 基礎の強度とは無関係ですが、木構造の建物を 長持ちさせます。
生コンを打つまえに、水道管・ガス管等の引き込みを しておきます。
雨の日を避け、大体15~20㎝位の厚さでコンクリートを 鉄筋上下に流し込みます。 打ちっぱなしのままのコンクリートは粉を吹きますので、 しっかりと抑え込み、ていねいに仕上げます。
外周部と玄関口をモルタル仕上げして、完了。 約1ヶ月の工期でした。
≪基礎工事用語≫
(↓クリック)
建物の外壁や内部の柱部分を逆T字型のコンクリートで支えます。 2000年頃までの一戸建てはほとんどが布基礎です。
住宅の床の全面に鉄筋入りコンクリートを打設します。 さらに鉄筋の入った逆T字型コンクリート台で建物全体を支えます。
冬場には地表から一定の深さまで凍結する。この深さを凍結深度といい、 地域によって異なるが青森県は55cm以上。 凍結すると膨張して地盤が押し上げられるため、 建物の基礎や水道管はそれより深いところに設置する必要がある。
宅地造成や道路工事などによって地下水の流れが変わり 地盤が変動して、建てられた位置そのままに、 住宅に亀裂が入ったり土台が沈下する現象です。